【転職で悩んだ際に】Webマーケティングはやめとけと言われる理由

この記事ではWebマーケティング業界への転職・就職を考えている方向けに、なぜ「Webマーケティングはやめとけ」と言われるのかについて業界にいる一人として理由を考察していきます。

Webマーケティングの仕事をしてみたいけど、WebやSNSなどで業界の負の口コミをみて迷っている方に一読してもらえればと思います。

Webマーケティングは特殊な業界?楽しいが楽はできない

Webマーケティングは本当に見出しの通りで、楽しいけど楽ではないです。

楽しさとしては、自分の仕事の成果が目に見えてわかるところや、スキルを磨き経験を積むことによって自分の成長を実感しやすいところにあります。

逆に楽ではないところは、自分の仕事の成果が目に見えてわかる=成果が出ないと人によっては苦しい。

Webという進化が続くものを取り扱うため、常にスキルアップをする意識が必要で、新しい技術の登場を楽しめない人や仕事にやりがいを求めないで言われたことだけやって給与を得たいという人には向いていない業界だと思います。

以下、詳しく解説していきます。

Webマーケティング業界の闇(苦しい・きついところ)

数字=結果を求められる

Webマーケティングの仕事は、Webを使って売り上げを上げるにはどうしたら良いかの戦略を企画し実行するのが仕事です。
例えば「広告戦略を立案し、その広告を運用する」「既存のWebサイトを分析し改善する」といったようなことがWebマーケティングの仕事となります。

Webマーケティングの仕事について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

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Webマーケターといっても、広告代理店のWebマーケターと事業会社いわゆるインハウスのWebマーケターでは違いがあります。さらに会社によっては分業体制が進んでいて、SEO専門だったり、コンテンツ運用専門だったりと仕事内容も変わってきます[…]

そしてWebマーケティングの仕事は、企画・実行して終わりではなく、必ず成果の確認作業があります。
自分が企画・提案した施策がどのような成果を上げたのかを、クライアントもしくは上司に報告し今後どうするのかをさらに提案していくというイメージです。

当然、クライアントもしくは上司は良い結果を求めますし、そもそも企画・提案の段階である程度の「このくらいの結果が出ますよ」というのを伝えるのが一般的です。
よって相手側としては想定より下回っていた場合は、どうなっているの?と顔をしかめることでしょう。
少額のプロジェクトならまだしも、大きなプロジェクトの場合は支払った(もらった)金額と割に合わないとなると冷や汗ものです。

このようにWebマーケティングの仕事は数字で語り、数字で結果を評価されることとなります。
良い結果が出れば良いですが、100%成功する仕事などあるわけもなく、最低限失敗を糧にして成長するくらいの気持ちでいないとメンタルが持ちません。

「数字=結果を求められる」。人にもよると思いますが、これが最もWebマーケティングの仕事で苦しい・きついところだと思います。

変化が激しく常に新しい技術やノウハウ獲得を求められる

Webマーケティングの仕事は、一度覚えたら後は同じ仕事の連続だけということはありません。
なので、ルーチンワークだけやっていたいという方には絶対に勧められない仕事になります。

例えばWebマーケティングの仕事の一つにWebサイトの解析があります。
この解析の仕事でよく使われるサービスにGoogleアナリティクスというものがあります。このGoogleアナリティクスが2023年7月に刷新され、Googleアナリティクス4というほとんど違うサービスに生まれ変わります。
これまでの使用方法と同じでは解析できなくなるので、新たに勉強しなおす必要があります。

これはWebサイトの解析だけに限った話ではありません。新しいSNSが出てくれば、そこからの集客や広告のノウハウを獲得する必要がありますし、AIの進化に合わせて仕事のやり方や手法も変えていく必要があるでしょう。

このようにずっと同じで平穏ではいられないのがWebマーケティングの仕事です。
変化を嫌うのではなく、新たなサービスや技術の登場にわくわくするくらいが丁度よいと思います。

離職する人、メンタルヘルスを崩す人もいる

前述してきた通り、Webマーケティングの仕事は楽な仕事ではありません。
よって、自分には向かないとある程度のところで離職するひともいます。
そして中には、メンタルヘルスを崩してしまう人がいるのも見てきました。(これはWebマーケティング業界だけではないとおもいますが)

Web業界自体が、納品締め切り日があったりする会社もあることや、数字や結果がはっきり出る業界なので比較的メンタルに不調を抱えやすいのではと個人的には感じています。
このようなことも「Webマーケティングはやめとけ」と言われる一つの要因ではないかと考えています。

責任感は重要な要素になる職種ですが、その責任感と同時に切り替えのできるメンタルも求められる仕事と言えるかもしれません。

忙しさと給料が一致しないときがある

この忙しさと給料が一致しないというのは、Webマーケティング業界だけではないかもしれませんが、Webマーケティング業界でも特に経験が浅いころはあります。

スキルや経験値が乏しい経験1年~3年くらいまでは、特に割に合わないと感じるかもしれません。
経験4年以上になっても同じ会社で勤務を続けると給料が思ったより上がらないということもあるでしょう。

Web業界の場合、比較的転職が多い業界なので極端に短期間で多く転職しない限り、あまり負のイメージはつかない印象があります。
そして転職すると、自分のスキルや経験といった出来ることに応じた給料がもらえるので、そこで忙しさと給料が一致してくるといったイメージがあります。
「スキルを磨き経験を積んだら次のステージへ上るために転職する」というのも一つのキャリアアップ・給料アップの形として普通に行われていることです。

ただ会社員でいる限りは、1,000万越えは一握りで難しいと思います。
スキルや経験がある人材でも、大手企業のWebマーケティング担当でも700万~800万程度というのもチラホラ聞くことです。
同じ数字を追う仕事の営業職と比べると、やや少ない印象があります。

Webマーケティング業界の光(楽しい・やりがいがある)

ここまでWebマーケティング業界の悪い部分ばかりに触れてきましたが、もちろん良い部分もたくさんあります。
ここからは、Webマーケティング業界の光(良い部分)について解説していきます。

努力した成果が数字として現れる

Webマーケティングの仕事は会社の事業内容によっては営業職以上に最前線です。
自分の戦略が、企画が、広告案が、分析が会社の売り上げを立てていくこともよくあることです。

例えばECサイトなどWebで売上が立つ種類の会社であれば、どのように集客すれば効率よく自社商品を購入してもらえるのかを企画・立案し実行する役割となります。
この場合は、売り上げや利益という数字として自分の仕事の成果が表れます。サッカーで言えばストライカーであり、野球で言えばエースや四番の役回りです。

成果を出すために様々な試行錯誤を重ねて、目標売上やお客様の想像を上を行く数値を出した時の感覚は独特のものがあり、その瞬間のためにWebマーケティングの仕事を続けているという人もいるのではないでしょうか。(私はそうです)

このように言い方が悪いかもしれませんが会社の「歯車」的な仕事よりも、自分の仕事の成果と会社の成長がリンクする仕事がしたいという人にはWebマーケティングは非常にお勧めできる仕事です。

手に職がつく

手に職をというと伝統工芸士や大工さんをイメージされるかもしれませんが、Webマーケティングの仕事も手に職がつきます。
Webマーケティングの仕事は専門的な知識や経験を必要とするため専門職であり、社内異動でいきなりWebマーケティングの仕事をやれと言われても無理な職種です。

インターネットとパソコンがあれば仕事ができるので独立に向いており、フリーランスになる人もいます。(実力がある人はフリーランスの方が稼げたりします)
そしてフリーランスの人の中には起業して、自分の会社でWeb関連サービスを販売したり、ECサイトを運営したりする人もいます。
こういうことが出来るのは、モノやサービスを売るノウハウが会社ではなく自分につくから出来ることです。

このようにスキルと経験は自分に依存するため、会社に依存しない人材と自然となっていきます。
この会社に依存しないという特徴は、今後どのようになるかわからない日本で働く上では大きなメリットではないかと考えています。

Webマーケティングの仕事の将来性は明るく、業界としての見通しは良いと思われるので、適正さえあればかなりお勧めの職種と言えます。
Webマーケティング業界の将来性については、以下の記事で詳しく解説しています。

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Webマーケティング業界という定義をここでは、「Web(インターネット)を用いて自社もしくはクライアントの事業を発展させる業界」とします。より簡単に言うとWebの何らかの手段を用いて会社の売り上げを上げることをしている業界です。[…]

経営に近い上流から参加できる

いまやWebという媒体は集客の要になりつつあります。そのためWebマーケティングの戦略を担当するようになると、中小企業であれば社長と直接やり取りすることも珍しくありません。
来期の目標売り上げや利益から逆算して、Webマーケティング戦略を立案したりすることもあるでしょう。
実際に私も社長と膝を突き合わせて、Webマーケティング戦略を立てて実行した経験があります。

このように経営に近い場所で働くことができ、会社への貢献していることを肌で感じられるのもWebマーケティングの仕事の良いところです。
この経営の近い場所での経験は、前述した独立起業をする人には良い経験になりますし、そのような経験をしているからこそ起業をする人が多いのかもしれません。

アイデアを形にできる

Webマーケティングをする職種は、広告やWebサイトの改善を企画することもあります。

現状を分析して何が悪くて結果が出ていないのかを導き出します。そして出した答え(仮説)に基づいて、新たな広告案やサイトの改善案を提案し実行していくことになります。
つまり自分が起点となって仕事が動いていくことになります。自分のアイデアが形になっていくのです。

このように自分が起点となる職種はそんなに多くはないと思いますので、やりがいもその分大きくなります。

先進的な会社が多い

Webマーケティングを主体としている会社であれば、いわゆる昭和な会社は少なく、フレックス制や有給の取りやすさなど先進的な会社が多い印象です。

そもそも大手の代理店以外の企業であれば、ベンチャー系や設立からあまり年数が経っていない若い会社が多く、経営者も柔軟な考えを持っていることが多いです。
私の経験上ですが、有給は普通に取りやすかったですし、フレックス制でのんびり出社できるという会社もありました。

他の業界に比べれば、働きやすい職場を見つけやすいのではないでしょうか。

Webマーケティング業界へ転職・就職するには

ここまでWebマーケティング業界の良いところ、悪いところを解説してきました。
良い悪いを理解した上でWebマーケティング業界へ転職・就職をしたいという方に、うまく転職・就職するための私なりの考えを述べさせていただきます。

まずあなたはWebマーケティング(マーケター)の素養がありますか

Webマーケティングを仕事にするには、最低限以下の3つの素養が必要と考えます。

  • コミュニケーション能力があること
  • 論理的に考えることができること
  • 変化に柔軟に対応できること

以上の3つは最低限抑えておきたいポイントです。

1つ目の「コミュニケーション能力があること」は、だれとでも仲良くなれるとかそういう能力ではありません。
自分の意図したことを、相手に伝える能力のことです。
私はこの能力には相手を理解する能力が必要だと考えています。

エンジニアではないので、プログラミングはできなくても良いですし、デザイナーではないのでデザインはできなくても良いです。
しかし、エンジニアやデザイナーがどのような考えで仕事をしているのかは理解しておく必要があります。

自分が出した企画を実行するには欠かせないパートナーであり、彼らとのコミュニケーションを取れるだけの知識は必要ということです。
私の場合は、エンジニア→デザイナー→マーケターとキャリアチェンジをしてきたので、どのような仕事をしているか実践を離れた今でもある程度わかります。

私のようにそれぞれの職種を経験する必要はないと思いますが、どのような手段であれ伝える相手の仕事を知った上で分かりやすく伝えることがコミュニケーション能力には必要不可欠だと考えます。

2つ目の「論理的に考えることができること」とは、いわゆるロジカルシンキングのことです。
何となく「感覚的にこう思います。だからこの企画をやらせてください。」では、クライアントも上司もYESとは言わないでしょう。

上記は極端な例ですが、何らかの根拠(数字的な)に基づいて企画提案する必要があります。
エンジニアやデザイナーに説明する際にも、同じようにロジカルに説明する必要がありますし、対外対内両方で必要な能力になります。

3つ目の「変化に柔軟に対応できること」は、スキルというより性格・性質的な素養になります。
Webは発展途上な技術なので、常に勉強し続ける必要があります。ちょっと現場を離れていたら、知らない広告媒体が増えていた。新たな手法が出ていたということはザラにあります。

こういった変化に負けず、根気強く前向きに取り組めることが最後の素養となります。
この素養がないと途中で離職ということもあり得るので、脅すわけではないですが「根気強いか、前向きか」自分の胸に聞いてみましょう。
(ちなみに私は根気強いですが、前向きかと言われれば「?」なので、どちらかがあればいけるかも?しれません)

未経験でのWebマーケティング業界転職・就職

未経験でWebマーケティング業界に転職できるか?と聞かれれば、不可能ではないと答えます。
基本的に人材不足の業界なのですが、求めているのは経験者の人材です。しかし経験者でなくてもWebマーケティング業界には入れます。

詳しくは別記事で解説しておりますので、以下の記事をご覧ください。

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本記事では、現職Webマーケターの私がWebマーケターになるにはどうすれば良いか、そのやりがいや未来展望などを紹介します。また本記事は未経験者でWebマーケターに転職を考えている方を対象にしております。そも[…]

Webマーケティングスクールは利用すべき?

結論としては、経済的に許されるのであれば利用すべきです。

多くのWebマーケティング系スクールは現役のWebマーケターが講師となっており、最新のスキルやノウハウを教えてくれるでしょう。
しかし、教えてくれてもそれを身につけることができるかはあなた次第となります。
必要最低限の用語がわからないと、講師の方が言っていることを理解できないかもしれませんし、理解できたとしても実践で活用しないと真に身につきません。

Webマーケティング系スクールで選ぶのであれば、実践をする機会があるスクールであることは最適条件です。
あとは講師の質がモノをいうのはあるので、講師がどのように選定されるのかもチェックが必要です。

以下、Webマーケティングスクールを開設した記事になります。詳しくは下記の関連記事をご覧ください。

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Webマーケティング業界は向いている人にはお勧め

ここまでWebマーケティング業界の悪いところ、良いところ、転職・就職するにはなどを解説してきました。

まとめるとWebマーケティング業界は「楽しいが楽はできない」業界ということです。
仕事にやりがいを求めている人でWebマーケティングの素養がある人には天国とは言わないものの充実感のある仕事と言えるでしょう。
逆に仕事にやりがいを求めておらず、素養がない場合は、業界に入ったことを後悔することになると思います。

要するに向き不向きがあるということです。

Web上で「Webマーケティングはやめとけ」といわれているのは、Webマーケティングに不向きだった方からの不向きな人へのアドバイスだと思います。
なので、自分自身の素養を見極めた上でWebマーケティングに向いていると少しでも思ったのであれば、チャレンジしてみるのが良いと思います。

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